革職人からの声

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職人インタビュー

沖舘孝一

プロフィール
名前:沖舘孝一(おきたて こういち)
職人歴:42年
得意な工程:サンプル作りは作業が多岐にわたるので特にこれが得意!と言った工程はありません。

――仕事へのこだわりを聞かせてください。

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革素材は、硬くてしっかりしたものから、やわらかくなめらかなものまで本当に色々あります。なるべく、その風合いを活かせるようには気をつけていますね。

あと、それぞれの製作の仕方で、革製品の仕上がりはだいぶ変わります。だから、一つひとつの作業にはかなり気を配っています。特に職人の技術が表れるのが、「革すき」と「型紙の作成」。この2つは本当にこだわっています。

「革すき」は革を部分的に薄くする作業です。革すきの精度で、できあがった製品に細かい違いがでてきます。だから、慎重になりますね。できあがりのイメージを頭で描きながら、丁寧に個々のパーツをすいています。「型紙」は革のサイズを決める紙です。型紙に誤差あると、製品にも不具合がでてしまいますからね、少しのズレもでないように気をつけて作成しています。

――革職人になって苦労したことはありますか?

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「型紙作成」→「裁断」→「革すき」→「縫製」と1つの商品を作るのにも工程が多いので、この職に就いたころは覚えるのが大変でした。まずは、仕事を覚えるために、ひたすら経験を積みました。今でもそうですが、やっぱり経験が大切です。よく言われることですが、職人は一生修行なんですよ。現在進行形でツライ山場を乗り越えてもまた次の山がくる、一つひとつ経験を重ねて、より多くの山を乗り越えることが本物の職人になるということなんですね。

最近の大きな山は、納期に追われることですね。手作業なので、スピードをあげることが難しいのがツライです(笑)。

――革素材の魅力はどういう点でしょうか?

重厚感でしょうか。裏を返せば、綿などの生地と比べて製品に重みがでてしまうというデメリットもあるのですが、その荘厳な雰囲気は他の生地にはない魅力です。それから、加工の仕方一つで、見え方や印象が大きく変わる点も革の面白いところですね。

なめし(腐敗・硬直を防ぐ加工)や型押し(独自の模様を革につける加工)のやり方で、同じ革でもまったく別の物のようになります。加工の過程で自分の個性を出せるので、そこは、職人として仕事のしがいがあります。あと、コバ塗り(切りっぱなしの革の断面を加工する)によって端面を美しくできる点も魅力ですね。

――革素材の欠点はありますか?

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重厚感があり美しい革ですが、その分他の素材より少し扱いが難しいのが欠点かもしれません。特に湿気には気をつけなくてはいけません。雨などで濡れた鞄・バッグなどをそのまま放置しておくと、傷みやカビなどにつながることもあります。あと、風通しの悪い押し入れなどに入れっぱなしにするのも革素材には良くないです。

そんな欠点もある革製品ですが、手がかかる分愛着もわくのです。大事にしすぎて箱に入れたまま使わない、なんてことがないようにしてほしいですね。ぜひどんどん使って革の風合いの変化を愉しんでほしいと思います。

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